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ワンワン☆の雑記

大学生一年生、田舎生まれのつぶやき。

『夜を乗り越える』 ──なぜ本を読むのか?

今年になってから小説以外の本を読むことが多くなったんだが、小学館から今年刊行が始まった新レーベル「よしもと新書」が書店で目についた。

 

どれもよしもとのお笑い芸人が書き下ろしているらしい。ラインナップにはレイザーラモンRG千原せいじなど。

 

その中でもやはりピース又吉の『夜を乗り越える』が気になり、購入して読んでみた。

 

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又吉が少年期からこれまで読んできた数々の小説を通して「なぜ本を読むのか」「文学の何がおもしろいのか」「人間とは何か」といった考え方を書いている。

 

又吉といえば、芥川賞を受賞した『火花』の記憶も新しい。話題性だけではなく、普通に面白かったので未読の方は是非。

 

この新書に書いてあることも色々と面白かった。その中でも又吉が中学時代に太宰治の『人間失格』を読んだ時のことを、本文から一部引用して紹介したい。

 

人間失格』には最初から最後までずっと掴まれっぱなしでした。大庭葉蔵の言動の一つひとつを、これはウケる。あっ、これは自分もやったことある。これもウケる。この主人公は自分と一緒だと思いました。太宰にはまる多くの読者がそうであるように、「太宰という人はなぜ僕のことがわかるのだろう」と不思議に思いながら、どっぷりとはまっていきました。僕にとって『人間失格』は特別な本になりました。

 

この部分に本書の答えが詰まっている気がする。又吉にとっての『人間失格』がそうであったように、たくさんの本を読んでいると自分と似た考えを持っている人がいることに気づくことがある。そして普段自分が感じていることをその人は実に巧みな言葉で見事に表現している。そうした時に、なんとなくだが「自分はこのために読書をしている」という気持ちを得ることができる。

 

また逆に、本を通して自分とはまったく違う考えに触れることができるのも大きい。こういう考えもあるのかと思うのはもちろんのこと、それによって自分自身の考え方や価値観に変化が生じることも少なくない。

 

今回紹介したのは本書のほんの一部分で、「なぜ本を読むのか?」という質問に対する一つの答えが、この本にはたっぷりと詰まっていた。

 

読書好きとして非常にオススメしたい。